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AIの衝撃 人工知能は人類の敵か

 

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

 

 

人工知能についての入門書を探しており、読んだなかの一冊です。すでに感想はいろいろなところで出ていますので、概要などは他を読んでいけばわかるかと思います。

脳科学の研究成果がAI開発へと導入され、コンピュータが音声や画像を認識するための「パターン認識能力」を飛躍的に高めることに成功した、というところが、人口知能を理解するうえでのまず第一歩、なのではと思います。つまり、膨大にある情報の中から、ある特徴を発見できること、そしてその能力は人間の脳の研究成果の結果である、ということです。

2012年、グーグルはスタンフォード大学のエン教授と共同で、このディープラーニング技術を使い、YouTube上の大量の動画を教科書代わりにして、自力で「猫」や「人」の顔などの視覚的な概念を学習。この成果にもとづき、コンピューター画面上にそれらのイメージをゼロから描いたといいます。

このような技術が、今、グーグル、Facebook、マイクロソフト、IBMなどの世界的IT企業が、先を争うように開発を進めている最先端のAI、というわけです。当初の「パターン認識」にとどまらず、今後は「自然言語処理」「ロボット工学」など、さまざまな分野への応用が期待されています。

本書は、グローバルIT企業の最新の研究内容の紹介が多く、総論的に今、何がおこっているか知るには最適の書だと感じました。

歴史や未来も語られますが、基本的には、人工知能が、どうビッグデータの中からビジネスでお役立ちな情報を集め、それがどう実践的なビジネスに役立つか、というところに焦点が当たっている印象がありますので、とりわけビジネスマンは読んでいて、アイデアが得られる本なのではないかと思いました。著者は人工知能の研究者ではなくあくまでジャーナリストとして人工知能に中立的な立場なのも好印象でした。

一般人向けの人工知能の総論的な入門書としては、「人工知能は人間を超える」が面白かったですので、次はそちらの感想を書こうかと思います。