「82年生まれ、キム・ジヨン」仕方ないって思ってた、いろんな記憶が甦ってくる本。
話題の本なので購入しました。
小説の新刊を購入したのはずいぶんと久しぶりな気がします。
もともと女性が多く働いている業界というのもあり、
私は正直、働き始めてからは女性だからという理由で会社から冷遇されたという経験はありません。
そのあたりには過去に女性たちの努力があったことでしょうから、私はそれを享受しているということになり、先輩方には感謝するしかありません。
ただ、それでも、子供の頃の学生生活や、働く人間関係のなかで
思い返せばあれはおかしかった、ということはあるもので、
この小説で実にいろいろなことを思い出しました。
子供の頃、ブルマがすごい嫌だったこととか、
学校の出席番号が男→女なこととか、
祖父母に「女の子なんだから、ああしなきゃいけない」と言われたりとか、
新卒で行きたかった会社の女子の採用の少なさとか、
明らかにセクハラ爺なんだけど、この人の機嫌をよくしないと仕事が取ってこれないから、我慢したりとか、
スカートはいて行った訪問先がうっかり低めのソファーで、クライアントの目線が気になって、ゲンナリした後、自分を責めたりとか。
あー、ちゃんと言えばよかったなー、あのとき。って思うけど、
まあ無理だよね。
あと、そもそも気づいてなかった、っていうのも多い。
そして同時に、
偉い人と話すときはちょっと高い声を出してみるとか、
謝りに行くときはズボンじゃなくてスカートで行くとか、
みたいな、自分が無意識にしている処世術も同時に自覚した。
こういう自分のことを掘り起こしてくれる本というのはなかなかないと思います。
そして、正直、男性はこれを読まないほうがいいような。優等生的なコメントを書くと空虚なPC配慮のうわっつらコメントになり、あまりに率直に書くと差別主義者になる。